王子様はわたしのもの
2026.1.16(FRI)全国公開
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INTRODUCTION

世界各国の映画祭をえぐり倒した北欧発の美醜と狂気の地獄絵巻!
美への執念が乱舞する、世にも残酷な舞踏会へようこそ

世界各国の映画祭をえぐり倒した
北欧発の美醜と狂気の地獄絵巻!
美への執念が乱舞する、
世にも残酷な舞踏会へようこそ

北欧発のゴシック・ボディホラーが日本上陸! 第41回サンダンス映画祭でプレミア上映され、斜め上をいくプロットと容赦ないグロテスク描写で「退出者続出!」の衝撃的な幕開けを飾った『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』がいよいよ日本で公開される。

本国ノルウェー公開時には4週連続でTOP10入りを果たし、大ヒットを記録した本作は、第75回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品、第43回ブリュッセルファンタスティック国際映画祭シルバーレイブン受賞、第29回富川ファンタスティック国際映画祭グランプリ&観客賞受賞を含み、実に20もの映画祭にて正式出品され、世界中の批評家や観客を虜にし、数々の賞を獲得している。誰もが知るおとぎ話「シンデレラ」をモチーフとし、美しいシンデレラ(=アグネス)へ強い嫉妬と妬みを向ける醜い義姉妹(=エルヴィラ)を主人公にした本作。王子の花嫁の座を射止めるためなら手段を選ばない母と娘の、美に対する底なしの執念が描かれる。

本作で映画批評サイト「Rotten Tomatoes」96%FRESHを獲得し、「シンデレラ meets クローネンバーグ」と言わしめたのは、本作が長編デビューとなるノルウェー出身の女性監督エミリア・ブリックフェルト。製作は『イノセンツ』(21)のマリア・エケルホフド。主人公エルヴィラを演じたのは、ノルウェーでモデル兼女優として活躍するリア・マイレン。一目で印象に残るルックと全身全霊の怪演が観客を魅了する。

美しくなるためなら人体改造も厭わない、美しくなるためなら激痛にも耐える、美しくなるためならどんなことだってするわ――美にとらわれた女性たちによるこのおぞましいフェアリーテールは、現代にも通じる滑稽で皮肉なルッキズム風刺をまとう。 誰もが知る「シンデレラ」の誰も知らない闇話は、あなたを残酷な舞踏会へと誘うだろう。

STORY

――スウェランディア王国のユリアン王子(イサーク・カムロート)は、淑女たちの憧れの存在。彼と結婚するために、彼女たちは日々努力を重ね、美しさに磨きをかける――

エルヴィラ(リア・マイレン)は、母レベッカ(アーネ・ダール・トルプ)の再婚のために妹アルマ(フロー・ファゲーリ)とこの王国へとやってきた。ユリアン王子の花嫁になることを夢見ながら・・・。 新しい家族となる義姉妹のアグネス(テア・ソフィー・ロック・ネス)は、家柄に恵まれたとても美しい女性。一方、エルヴィラは矯正器具に覆われた口元、ふくよかな体形、こじんまりとした鼻、つぶらな瞳。

しかし、アグネスの父が急逝したことで事態は一変する。 レベッカはアグネスを貶め、エルヴィラを国王の花嫁にするため手段を選ばずに美を施してゆく。そんななか、ユリアン王子の花嫁候補を集めた舞踏会が開かれることになるが――

DIRECTOR'S STATEMENT

ホラーとして描き出される美しさとグリム童話の再解釈

ホラーとして描き出される
美しさとグリム童話の再解釈

『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』の包括的なテーマである「美のホラー」は、ボディホラーや「美の痛み」という女性蔑視的な考え方から着想を得ています。私は本作を通して、美がもたらす束縛や、それが若い女性たちにどのような影響を与えるかについて、さらに深く追求しました。ボディイメージや、女性らしさについて、長年葛藤してきた私にとっては、とても個人的なテーマでもあります。私がこの作品で目指しているのは、観客がこの物語に触れることで、共感や不快感を覚えて自らを振り返り、エルヴィラの体験に完全に入り込むことです。観客が、自らの身体をエルヴィラの肉体的な苦痛と重ねることで、強い身体的なつながりを感じ、自分自身について深く考える機会になることを願っています。

エルヴィラの旅路は、到達不可能な基準を身体に課すことからくる苦しみを強調しています。私は、ボディホラーというジャンルに対する、デヴィッド・クローネンバーグ監督のアプローチからインスピレーションを得ました。クローネンバーグ作品では、身体の変貌が一つのメタファーとして、キャラクターの欠点やジレンマ、内なる恐怖を表現し、さらに社会が個人に対してどのように影響を与えるかについて政治的な意見を述べているのです。

この物語はまた、童話「シンデレラ」の豊かな歴史、特に映画『ブラザーズ・グリム』(05)に登場するシンデレラの物語からもひらめきを得ています。『ブラザーズ・グリム』に登場するシンデレラの義姉妹たちは、靴を履くために足の一部を切断してしまいます。時を越えて親しまれてきたシンデレラの物語は、これまで様々な形で脚色されてきました。聖書の逸話や中国の民話が登場するもの、有名なフランス語版やドイツ語版、あまり知られてはいないですが、ノルウェーやドイツで愛されてきた1970年代のチェコ語版などが代表的です。私は、一つのバージョンに固執せず、自分が共感する要素を組み合わせ、自分自身の解釈を加えました。どのバージョンも結局は物語であり、時代から時代へと口承によって語り継がれてきた民話だからです。このような物語は、人々を楽しませ、普遍的な価値観を伝えるために語られていきます。

現代のシンデレラ物語として語ることもできたと思いますが、私は最初から、特定の時代ではない、曖昧な「昔」として舞台を設定しようと決めていました。そうすることでこの物語の主題は、現代の問題に共鳴するのです。それと同時に、今もなお私たちの美やアイデンティティーに関する視点を形成し続けている文化的伝統に根ざし、時を越えた普遍性を持つことが際立っているのです。

監督・脚本:エミリア・ブリックフェルト

DIRECTOR

エミリア・ブリックフェルト(監督/脚本)

1991年5月20日生まれ、ノルウェー出身。
ノルウェー映画学校の卒業制作として2018年に制作した作品『SARA’S INTIMATE CONFESSIONS(原題)』が、2018年ロカルノ国際映画祭や2019年クレルモン=フェラン国際短編映画祭など、数々の映画祭に選出された。そのほか、大胆かつ挑発的な短編映画で高い評価を集めてきた。本作『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』は、長編監督デビュー作となる。

エミリア・ブリックフェルト

REVIEW

シンデレラmeetsクローネンバーグ

――SLANT

恐怖が魔法のように変化する

――VULTURE

エレガントでスタイリッシュ
完全に唯一無二

――BLOODYDISGUSTING

最高に凶悪

――ROGEREBERT.COM

容赦のない展開

――PASTE

恐ろしすぎる

――DEAD CENTRAL

究極的に強烈

――SCREEN RANT

CAST

リア・マイレン(エルヴィラ役)

2001年4月21日生まれ、ノルウェー・エルベルム出身。
ノルウェーのモデル、俳優として活躍している。 ノルウェーの国営放送NRKの番組で子役としてデビューし、テレビドラマシリーズ「Jenter」への出演で国内に幅広く知られるようになる。

リア・マイレン

COMMENTS

シンデレラは美人なだけで王子を射止めたのではなく、苦労人でもある。
でも女が感情移入するのは、義姉妹や義母だ。
美人の私ではなく、美人になろうと頑張る私を誉めて。
幸運な人より頑張り屋の方が真の強敵である。

— 岩井志麻子(作家)

主人公の繊細さや女性らしさが心に響きました。
胸が苦しくなる場面も多く、自分も自分の意思で生きたいと強く感じました。
無理せず楽しむことの大切さを、改めて気づかせてくれる作品です。

— 城月菜央(高嶺のなでしこ)

女の子が将来のために勉強頑張る、仕事頑張る、の選択肢がない時代はずっと長くて。本当にあったクソみたいな構造に悲しいけど今も世界は引きずられている。
このおとぎ話には私たちの「わかる」がたくさん散りばめられてて、グロ痛いけど笑えてスイートで、なによりとっても元気が出ます!

— 朝倉加葉子(映画監督)

「美しくなりたい」は、いつから呪いになったのだろうか。
あまりにも常軌を逸した方法で容姿を整えるほど壊れていく心が、痛いほどリアルで切ない。
目を背けたくなるほどのグロテスクで生々しい‶美″への執着に、圧倒され、目が離せなくなった。
映画を観た人たちは、きっと「承認欲求」がもたらす呪縛から解放されることだろう。

— 藤白圭(児童書およびホラー作家)

激痛極まる美の追求。いったい何が彼女をそうさせるのか、それを地獄の映像体験にして観客に突きつける。また童話を適当にホラー化?という先入観を打ち砕く作品。映画を観てて目を薄めたのは、本当に久々です。

— 人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)

好きな人に愛されたかった。親の期待に応えたかった。自分を好きになりたかった。
おとぎ話の脇役で、現実のどこにでもいる少女の物語。
シンデレラの華々しい登場に、あれほど絶望させられるとは!

— レイナス(「ホラー通信」ライター、イラストレーター)

美醜が価値基準である醜悪な世の中に、血の混じった唾を吐きかける狂いに狂った大人の童話。
肉体変容を目撃する”ボディ”ホラーであり、同時に精神をキリキリと締め上げる”メンタル崩壊”ホラーでもある狂暴さ...
“こうなったら嫌だな”、”これされたら痛いな”が全部起きる展開でありつつ、根底には”尊厳の回復”というテーマが流れる、捻じれに捻じれた”R15+”の道徳授業...嗚呼、人間賛歌...!

— 末廣末蔵(ジャンル映画大好きツイッタラー)

麻酔もなく瞼に針を突き刺される痛み。
腹の内部をサナダムシが這いずりまわる痛み。
「美」の基準に合わせて切断される肉体の痛み。
どれもが過剰で過激な痛みのはずなのに、
この映画に現前するその痛みをわたしはよく知っている。

— 児玉美月(映画批評家)

“シンデレラ”の視点をひっくり返したら継母と義姉のほうが人間臭かった!
童話の嘘を剥ぎ取り、誰もが抱える暗い感情を血と粘液と笑いのなかに撒き散らす。最後には笑うしかない。美しくなろうと必死にもがく人間こそ、いちばん愚かで、哀しく、そして愛おしいのだから。

— 氏家 譲寿/ナマニク(映画評論・文筆家)

※順不同・敬称略